前回は、仕事量の削減・低減についてお話しさせていただきました。
そのポイントとして、仕事量は仕事の『数』だけではなく、それにかかる『時間』にも着目し、改善への視点を、点や線ではなく面で見ることを述べさせていただきました。
今回は、この仕事の時間の改善について、有効的で効果の高い、システムの導入時の『準備』と『定期的確認』について、お話しさせていいただきます。
まず『準備』についてですが、この時に行うことは次の3つです。
① 現状の把握
② 導入するシステム(ツール)の選定
③ システム導入までのスケジュール(5W1H)の作成
1つ目の『現状の把握』ですが、これには手順があります。
業務の棚卸を行い、特に時間を要している業務を抽出し、その業務フローを作成します。
これにより、ポイントを絞った改善が可能になります。
2つ目『導入するシステム(ツール)の選定』についてですが、先で作成した業務フローがこの時に役立ちます。
業務のどこにどんなシステムが入ると、時間短縮に繋がるか・・・フロー図を基に検証していくと、それが捉えやすく、また、システムのメーカーからもより良い提案をいただくことができます。
3つ目の『システム導入までのスケジュール(5W1H)の作成』ですが、メーカーからシステムを購入する場合、メーカーからスケジュールをいただくことができます。
一方、Excelによるシステムを自社で作成し導入する場合には、綿密にスケジューリングする必要があります。
それは、現在行っている業務を並行しながら導入することが、大きな理由です。
総務・経理の業務は穴が空くことがあってはいけません。
人・モノ・カネ・情報扱う部署として、会社の信用を守るためにも、このことは大変重要です。
今の仕事を確実にこなしつつ、システムの導入を進めるために、綿密な計画が必要となるのは必然だといえます。
さて、これら準備を経て、計画通りにシステムが導入ができましたら、次は『定期的確認』に注力することになります。
日常業務については、導入したシステムがこなしてくれることにはなりますが、これらは日々の変化に対し、万能に対応しきれるものではありません。
やはり、人によって変化を与えることが必要となってきます。
ここでのポイントは、変化が訪れるタイミングを、突発的なものとして対応するのではなく、事前に気付ける仕組を作り、可能な限りルーチン化することです。
1つ例としてあげてみましょう。
例にするのは、勤怠管理です。
給与計算をするためには、ヌケやモレが無いこと、休暇の種類やシフトの誤りなどもあってはならない、重要な業務です。
インクによる打刻式のタイムカードを使っていた会社が、勤怠管理システムを導入し、自動集計が可能になったとします。
システム導入により集計は自動化されましたが、念のために手計算で集計した結果と比較すると一致しません。
よくよく調べてみると、休暇の申請がもれており、有給休暇が集計に反映されていませんでした。
また、勤怠の締日前日に中途で入社したパートさんの登録がされておらず、1名分もれていました。
この例で気付いていただきたいのは、『システムは自ら発信はしない』という点です。
休暇を申請するのは社員(人)です。新規の社員登録をするのも担当(人)です。
休暇を取る方の都合や、会社が誰をいつから、どのようなタイミングで雇い入れるか・・・システムは知りませんから、それに伴う処理もすることはありません。
これは当たり前といえば当たり前ですが、これらを補うため、事務部門がそれまではやっていなかった仕事をしたり(勤怠締日前に不必要に確認作業を重ねたり)、システムの能力を過剰に捉えていた社員が、これまで行っていたこと(新入社員の連絡)を怠ったりなどが発生します。
これを防ぐため、元の業務フローを基にルールや申請書の内容の見直し、部内のチェックリストの再考などを行い、関係者への説明会を行ったりする必要があります。
そしてこれこそが『定期的に確認できる仕組』の第一歩となります。
このとき作成した新しいルールや申請書があれば、定期的確認は自然の流れ(ルーチンワーク)として実施され、作業効率は更に飛躍します。
また、一度作ったルールやフローでも、日頃から『もっとより良く出来ないか・・・』と考え、改善と常に隣り合わせにしておくことで、導入したシステムもより良く活用でき、ますます生産性は向上していくでしょう・・・。
さて・・・次回は、導入するシステムについてお話ししたいと思います。
今現在、世の中には様々な業務支援システムが存在しています。
『働き方改革』の下、これらは日に日に増える一方です。
どんなシステムをどのように使えば良いのか、悩まれている方も沢山おられるかと思います。
実務にて、多数の業務支援システムに触れてきた者として、皆様のお役立ていただければ幸いかと思います。
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